より安く、より強く、より簡単に ~「トマト長期どり栽培セミナー」を開催

ページ番号2005249  更新日 令和4年5月27日

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 南部園芸研究室(陸前高田市)では、「食料生産地域再生のための先端技術展開事業(先端プロ)」により、狭く不整形な土地や傾斜に適応した「足場資材利用園芸ハウス」や、地域木材を有効活用した「木骨ハウス」を利用してトマト栽培に取り組んでおり、平成28年7月29日に当研究室において「トマト長期どり栽培セミナー」を開催しました。

 トマトの長期どり栽培は、軒高(約4メートル)の木骨ハウスでを用い、同じ隔離床(発砲トロ箱)に2回定植する「インタープランティング技術」を取り入れています。セミナーでは、3月上旬定植では5月中旬~8月上旬に収穫、6月下旬定植では8月下旬~12月下旬に収穫を行い、収量目標10アールあたり30トンを目指して取り組んでいること、この技術はつる下げの省力化が可能で、9月以降の高単価が狙える時期に出荷できる利点等について報告しました。

 また、岩手県における冬期のハウス栽培は、従来のパイプハウスでは耐雪性の面からリスクが大きく、高規格の鉄骨ハウスは丈夫であっても高価なため取り組みにくい現状の中で、自力施工も可能な低コスト耐候性ハウスである「足場資材利用園芸ハウス」と「木骨ハウス」について紹介を行いました。

 参加者からは、「トマトの各作型の目標とする収穫段数と収量は?」、「足場ハウスは雪が多いと中柱が必要になり、隔離床栽培中心になるのか?」、「木骨ハウスの収支計算の精査が必要では?」といった質問や意見等が多く出されました。講義の後は見学も行い、トマトの長期どりや低コスト耐候性ハウスの研究内容に理解を深めました。今後もセミナー等を随時開催しますので、参加をお待ちしています。

  • 足場ハウスについて説明中の写真

    足場ハウスの説明に熱心に耳を傾ける参加者

  • トマトのインタープランティング技術について説明中の写真

    木骨ハウスでトマトのインタープランティング技術による長期どり栽培

(技術部南部園芸研究室 南部園芸研究室長 有馬 宏)

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