授精に最適なタイミングは? ~ 性選別精液活用におけるホルスタイン種経産牛の受胎率向上技術の確立

ページ番号2005264  更新日 令和4年5月27日

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 酪農経営では、優良な乳用後継牛を効率的に確保するために性選別精液を活用することは有効な手法です。しかし、性選別精液による受胎率は、ホルスタイン種経産牛では34.7%と同未経産牛の52.1%に比べ、有意に低下することが知られています。

 ホルスタイン種経産牛の受胎率向上には、カテーテルを用いて性選別精液を子宮角の深部に注入する方法が有効であることが報告されていますが、授精のタイミングについては、通常より数時間遅らせたほうが良い等の報告もあり、さらに研究を進める必要があると考えられました。

 そこで、正確な発情開始時間を把握するために加速度センサーを用い、発情同期化法などを応用しながら性選別精液の子宮角深部注入における授精最適期を明らかにすることにより、ホルスタイン種経産牛の受胎率向上を目指す技術開発に取り組みます。

 なお、乳牛では周産期病の発生や分娩後の泌乳に伴う負のエネルギーバランスなどの要因も受胎率に影響することから、本研究ではこれらの影響が少ない黒毛和種経産牛を活用し、性選別精液の深部注入における授精最適期の調査も実施します。

  • 動物用精液注入カテーテル「モ4号AI」の写真

    一般的な注入器より子宮角の深部に注入できる動物用精液注入カテーテル「モ4号AI」

  • 動物用子宮内注入カテーテル「モ5号」の写真

    一般的な注入器より子宮角の深部に注入できる動物用子宮内注入カテーテル「モ5号」

(畜産研究所家畜育種研究室 上席専門研究員 昆野 勝)

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