「南部かしわ」に新たな「血」を ~ ロードアイランドレッド改良のための交配選抜試験を開始
岩手県では、地域特産鶏として昭和60年に地鶏JAS適合した3元交配鶏「南部かしわ(G系)」を、さらに平成15年には、天然記念物「岩手地鶏」の血液を導入した、より本県オリジナル性の高い「南部かしわ(K系)」を作出し、生産者に雛を供給してきました。この間に、「南部かしわ」の母鶏生産に用いてきた「ロードアイランドレッド」の近交が進み産卵率等が低下してきたため、平成26年度から外部からの新たな系統導入による改良に取り組んでいます。
平成27年度に、畜産研究所の保有系統と国から導入した系統を交配し、後代鶏の基礎集団(第0世代)を作出し、第0世代の雄400羽、雌600羽から、増体性と産卵能力の優れた雄50羽と雌200羽を選抜・人工授精を実施し、平成28年4月下旬に第1世代となる雛をふ化させました。現在は、雄400羽、雌600羽を育成しながら、増体重などの能力調査を実施しています。今後は、能力調査の結果に基づいた選抜改良により、増体が良く産卵率の高い種鶏の系統造成を行い「南部かしわ」の生産振興を図っていきます。
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第一世代の約1,000羽を育成中
撮影:平成28年5月24日、35日齢 -
選抜した雌に対して同じく選抜された雄の精液0.02mlを注入しているところ
(畜産研究所家畜育種研究室 上席専門研究員 吉田 登)
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