加工業務需要に対応した「寒玉キャベツ」栽培法の確立

ページ番号2005224  更新日 令和4年5月27日

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 岩手県の主要野菜品目のひとつであるキャベツは、生鮮野菜として他産地との差別化を図るために、葉が柔らかい等の特性をもち、食味を重視した「春系」と呼ばれる種類のキャベツの生産が主となっています。その一方で近年は、加工・業務用野菜の需要の増加に対応して、一般に春系キャベツより球重が大きく、加工する際の歩留まりがよい等の特性を持つ「寒玉系」と呼ばれる種類のキャベツの生産が求められています。

 そこで県北農業研究所では、平成28年度から寒玉系キャベツの栽培法確立に取り組んでおり、7月以降、加工・業務用に適する球重2kg程度のキャベツが収穫され、本県において知見の少ない寒玉キャベツの特性が明らかになりつつあります。

 また、平成28年12月13日には全農主催による農協、生産者を交えた検討会が開催されました。本年度の加工業務用寒玉キャベツの取り扱い実績は、約21万ケース(10kg換算)、販売額は1億3千万円であり、岩手県のキャベツ全体のうち、数量ベースで11%、金額ベースで8%を占めており、引き続き業者からの需要は増えているとのことです。

 参加者からは、県北農業研究所に対して「加工業務で問題となる結球部の生理障害の発生が少ない品種を検討して欲しい」等の意見が寄せられたことから、引き続き検討していく予定です。

  • 収穫されたキャベツの写真

    収穫された球重約2kgのキャベツ

  • キャベツの試験圃場の写真

    試験圃場

(県北農業研究所園芸研究室 上席専門研究員 長嶺 達也)

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