開牧に向け準備着々と ~ 牛馬の外山寄託放牧

ページ番号2005605  更新日 令和4年9月21日

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 外山畜産研究室では、毎年5月下旬から10月下旬までの5か月間、農家の牛馬を預かる「寄託放牧」を行っています。牛の品種は、牧草などの粗飼料の利用性に富む日本短角種です。馬は、チャグチャグ馬コでも見られる日本輓系種やブルトン種などです。平成27年も4月から5月にかけて開牧に向けた準備作業を行いましたので、その様子をご紹介します。

 4月中旬に放牧地の雪解け状況を確認した時には、牧道の大部分はまだ雪で閉ざされていました。下旬には晴天が続いたこともあり、日当たりのよい斜面の雪は一気に溶け、牧道も車で入れる部分が増えてきましたが、吹き溜まりや日陰にはまだまだ雪が残っていて入ることができませんでした。また、雪による倒木もあり撤去が必要となっていました。準備が本格的に始まったのは5月に入ってからで、次のような作業を行いました。

  • 5月3日:牧柵修繕

 ゴールデンウィークの中、畜主の方々による牧柵の修繕作業が行われました。広大な草地を区分けする牧柵は、冬の間に降り積もった雪の重みで支柱が倒れ、有刺鉄線(バラ線)は切れたり外れたりしているので、支柱を立て直し切れた有刺鉄線を1つ1つ手作業で繋ぎ直します。また、牛馬がケガをしないように牧柵まわりのノイバラを鉈で切り払いました。この日、放牧地の所々には満開の山桜が花を咲かせ、作業する方々の疲れを癒してくれました。

  • 5月13日:水路開通

 牛馬の飲み水確保のための水路を開通させました。丸1日かけて、水源地の沢や沼地から冬の間はずしていたパイプを繋いで、水路の泥出しを行いました。

  • 5月15~16日:肥料散布

 大型トラクタ2台を使用し、2日間かけて牧草地に肥料を散布しました。

 当研究室の寄託放牧は、豊かな自然の下で雌畜の繁殖と子畜の育成が行われており、畜産農家の飼料費削減や管理作業の省力化に貢献しています。

  • 牧柵修繕の様子の写真

    牧柵修繕の様子

  • 水栓弁の開放と泥出し作業の様子の写真

    水栓弁の開放と泥出し作業

(畜産研究所外山畜産研究室 専門研究員 上出 拓海)

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