土地利用型野菜のニューフェイスへ ~ 春まきたまねぎの大規模化に向けた機械移植技術の開発

ページ番号2005609  更新日 令和4年9月21日

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 岩手県内におけるたまねぎの生産は、秋まき(越冬)作型が一般的ですが、春まき作型が可能となれば、国内産の出荷が少ない端境期に収穫でき、水田転作など土地利用型野菜の新品目として期待できます。

 県北農業研究所では、平成26年度試験研究成果として、春まき作型に適する品種、セルトレイでの育苗法、雑草防除の3つの技術を取りまとめ、たまねぎの春まき栽培が可能であることを明らかにしました。

 たまねぎの大規模栽培には、移植機を用いて省力化する必要がありますが、機械移植では培土の少ない448穴セルトレイを使用するので、200穴や288穴のトレイとは育苗日数や苗質が異なってきます。そこで、育苗条件の違いが収量に及ぼす影響について平成27年度から試験を実施しており、順調に仕上がっています。

 また、ネギアザミウマを中心とした病害虫防除試験や、移植機の作業性試験も同時に行っており、平成29年度には栽培体系を提示できるよう一連の試験を実施しています(3枚目の写真は、移植機を用いた植え付け後の状況です)。

 県内でのたまねぎ春まき作型の普及は、まだ始まったばかりです。県北農業研究所ではこれからも技術開発を行い、たまねぎ栽培をバックアップしていきます。

定植直前の苗の比較写真
定植直前の苗質調査
育苗日数や培土への被覆肥料の添加により生育が異なる
  • 定植直後のたまねぎ畑の写真

    育苗日数や培土等の違いにより16の試験区を設置(各3反復)

  • 移植機による試験ほ場

    移植機(4条植え)による試験も実施中

(県北農業研究所園芸研究室 主任専門研究員 横田 啓)

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