増体系から肉質系まで幅広くカバー ~ 県基幹種雄牛4頭が新たにデビュー!

ページ番号2005611  更新日 令和4年9月21日

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  平成27年3月までに判明した黒毛和種種雄牛産肉能力検定(現場後代検定法)の成績が優秀だった3頭と推定育種価評価が公表された1頭の、合わせて4頭が新たに本県の基幹種雄牛に指定され、4月から人工授精用凍結精液の本格供給を開始しました。各種雄牛の特徴は次のとおりです。

【百合茂勝(ゆりしげかつ)】:「平茂勝」のきょうだい交配で生産された気高系の濃い血統構成で、検定成績では枝肉重量やロース芯面積、バラの厚さに優れ、高い上物率を示しました。兵庫系の雌牛との交配がおすすめです。

【晴奈(はるな)】:糸桜系のなかでも非「北国」系種雄牛である父「平茂晴」と脂肪交雑に優れる母「やすよ」を交配して生産された種雄牛です。検定成績は、皮下脂肪は厚いものの、それ以外の成績は県出荷平均以上で、特に高いA5率を示しました。兵庫系や気高系の雌牛への交配がおすすめです。

【照也(てるなり)】:兵庫系の血統で固められた純血の但馬牛で、検定成績は、純血兵庫としては枝肉重量に優れ、高い上物率を示しました。気高系雌牛との交配がおすすめです。

【花金幸(はなかねゆき)】:糸桜系の名牛「第1花国」を父に持つ種雄牛です。検定成績は、皮下脂肪の厚さと雌のBMS No.以外は県出荷平均より優れ、特に雌・去勢ともに高い上物率を示しました。兵庫系の雌牛への交配がおすすめです。

  • 新規種雄牛「ゆりしげかつ」の写真

    百合茂勝(ゆりしげかつ)

  • 新規種雄牛「はるな」の写真

    晴奈(はるな)

  • 新規種雄牛「てるなり」の写真

    照也(てるなり)

  • 新規種雄牛「はなかねゆき」の写真

    花金幸(はなかねゆき)

現場後代検定成績(平成27年4月1日時点)

種雄牛名
(産地)


母の父
祖母の父

検定成績

性別

頭数

枝肉重量

(kg)

ロース芯面積

(cm2)

バラ厚

(cm)

皮下脂肪厚

(cm)

歩留基準値

(%)

BMS

(No.)

上物率(%)
A5率(%)

百合茂勝
(宮古市)

百合茂
平茂勝
正福(岩手)

去勢

13

516

61

7.9

2.5

74.0

5.9

65.0

15.0

 

7

458

58

8.1

3.1

73.9

5.1

晴奈
(一関市)

平茂晴
安平
隆桜

去勢

10

487

65

7.9

2.6

74.7

6.5

68.4

36.8

9

425

62

7.9

3.3

74.5

7.1

照也
(奥州市)

照也土井
福芳土井
幸豊土井

去勢

14

465

67

7.5

2.3

75.3

5.6

77.8

16.7

4

431

57

6.8

2.5

73.8

4.8

花金幸
(二戸市)

第1花国
金幸
平茂勝

去勢

11

492

59

8.8

2.3

74.6

6.4

85.0

25.0

9

488

60

8.4

3.0

74.0

5.8

岩手県関連牛

出荷平均

去勢

95,262

470

56

7.8

2.3

74.0

6.2

65.5

27.0

68,628

398

54

7.4

2.6

74.0

6.1

注:岩手県関連牛出荷平均より優れるものを太字で表示した
  照也雌産子はあと2頭出荷予定

 平成27年度は、4頭が基幹種雄牛に加わったことにより、県有種雄牛の顔ぶれがさらに充実し、特に糸桜系県有種雄牛が揃いました。これにより繁殖農家の皆様の種雄牛選択の幅がさらに拡がりました。今後も若手を含めた県有種雄牛の活躍にご期待ください。当研究室では、今後も様々な機会を通じて和牛農家や人工授精師の方々に情報提供を行い、県有種雄牛の利用拡大による「和牛産地いわて」のブランド力向上に努めていきます。

(畜産研究所種山畜産研究室 専門研究員 澤田 建)

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〒029-2311 岩手県気仙郡住田町世田米字子飼沢30
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