光に照らされ「お色直し」~ パプリカの光照射追熟技術
パプリカは、現在国内で流通しているほとんどが輸入品で占められているため、国産パプリカの出荷量の増大が期待されています。岩手県におけるパプリカの栽培は夏秋作型が主になりますが、気温が低下する晩秋期以降は果実の着色が進まず、出荷できない未熟果が多く発生していました。
この未熟果に追熟処理を行うことで出荷を可能にする技術が、農研機構野菜茶業研究所を中心に開発されました。そこで、この追熟技術の普及に向け、平成27年12月3日に農業研究センター本部(北上市)で、生産者や関係機関を対象にした現地説明会を開催しました(農研機構野菜茶業研究所と共催)。
今回説明した「光照射追熟技術」は、パプリカ及びカラーピーマンの追熟の際に、温度を一定(15~20℃)に保ちながら果実に光を照射するもので、着色の進みにくい赤色系統の果実についても短期間で追熟することができます。この技術を用いることで栽培終了時の出荷量が増加し、合計収量が10%程度増収した事例もあります。また、追熟処理した果実の品質は、自然に成熟した果実と比較しても大きな違いはみられず、通常の果実と同様に出荷することができます。
現在、当センターで実証試験を実施中の「隔離栽培による水稲育苗ハウスを活用したパプリカ生産技術」と併せ、パプリカ生産の拡大に向けた試験研究に今後も取り組んでいきます。
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室内での光照射追熟試験の様子
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現地説明会の様子
(技術部野菜花き研究室 主査専門研究員 松浦 拓也)
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