2015年は「国際土壌年」~ 県内農地土壌の変化を継続調査しています
農業研究センターでは、昭和54年度から県内全域の農家ほ場を定点として継続して調査しています。この調査は、県内全域の水田、畑、草地を5年で一巡し、土壌養分の変化を把握することを目的としています。平成26年度から8巡目に入り、27年度分の土壌調査がまもなく終了する予定です。
現在は、上の調査とあわせて、一部のほ場では農地土壌が温室効果ガスの要因となる炭素をどの程度貯めることができるかといった調査も実施していますので、頻繁に訪問しているほ場もあります。これらの調査結果をもとに、これまでに県内の農地土壌実態について試験研究成果としてとりまとめてきました。
平成25年度(7巡目)までの調査では、
- 水田土壌では、可給態リン酸の著しい増加傾向が止まり維持されるようになってきたこと、一方、交換性カリは減少傾向になっていること
- 野菜畑では、可給態リン酸の増加がまだ続いていること
- 牧草地の交換性カリ含量が全体に低いこと
などが確認されています。
この調査は研究室の職員全員で分担し、いろいろな場所で行っていますが、全県をまわると土壌の色や土性(粒子の細かさ、粘り具合など)に様々なタイプがあることを再認識できます。
2015年は、国連で定めた「国際土壌年」です。土壌の重要性を私たちも改めて確認するとともに、この調査を重要なものと位置づけて継続していきますので、今後の研究成果に期待していただきたいと思います。また、定点としている各ほ場の管理者の皆様に御礼申し上げますとともに、引き続き御協力お願いします。
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水田での土壌採取
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草地での土壌採取
(環境部生産環境研究室 生産環境研究室長 島 輝夫)
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