「三色」兼備の優等生!? ~ DNAマーカーを利用した水稲新品種の開発
今回は、お米の重要な形質である「おいしさ」、「いもち病ほ場抵抗性」、「耐倒伏性」を判別できるDNAマーカーを利用した品種開発について紹介します。
以前の記事で、公益財団法人岩手県生物工学研究センター(以下、生工研)と共同で開発したDNAマーカーを使って、「おいしい」遺伝子を持つ個体を選抜する方法を紹介しました。作物研究室では、これに加えて「いもち病ほ場抵抗性」及び「耐倒伏性(稈長を低くする)」を判別できるDNAマーカーを生工研と共同開発して、品種開発への利用を進めています。
これらのDNAマーカーを使って、冬の間に温室で「おいしさ」と「いもち病ほ場抵抗性」、「耐倒伏性」を合わせ持った個体を選抜しました。そして、平成26年がほ場での初めての試験栽培になります。これまでのところ順調に生育しており、この秋の収穫と食味試験の結果が楽しみです。
今後も作物研究室では、生工研と共同で新たな有用形質を識別するDNAマーカーを開発し、さらに有用形質を兼ね備えた優良品種を育成します。
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中央ラベルより左:「ひとめぼれ」
同右:DNAマーカーを利用して選抜した有望系統
撮影日:平成26年7月23日 -
新しいDNAマーカーを開発するための調査を生工研と共同で実施しています
撮影日:平成26年7月14日
(技術部作物研究室 主査専門研究員 野々上 慈徳)
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