雑草退治はモグラ叩き? ~ アレチウリの除草剤効果確認試験
アレチウリは北米原産の外来植物で、つる状の茎で作物に絡み付いて這い上がり、日光を遮って作物の生育を阻害して収量低下を招く他、作物同士が絡まることにより収穫時の作業効率を低下させる原因にもなる厄介な雑草です。
アレチウリは、1株あたり5,000~20,000個と多量の種子をつけます。耕起によって土中に入った種子は、数年にわたって出芽して作物に被害を与え続ける可能性があります。近年県内でも飼料用とうもろこし畑で発生し、収穫皆無となるほ場が散見されています。一方、土中16cm以下からは出芽しにくいことが報告されており、畜産研究所では、不耕起栽培法と除草剤を組み合わせることでアレチウリによる被害を低減できると考え、平成26年度から試験を実施しています。
不耕起栽培法の効果については現地で試験を実施中で、研究所内ではポット試験で除草剤の効果を確認しています。土壌処理剤4剤、茎葉処理剤3剤の中から効果の高い薬剤を選定するために、アレチウリ播種後に土壌処理剤の処理を行いました。茎葉処理剤はアレチウリ出芽後、草丈が20cm程度になった頃に処理する予定です。
今回検討している防除方法をモグラ叩きに例えると、アレチウリの芽はモグラで、除草剤はそれを叩くハンマーです。耕起せず土壌の表層を撹拌しないことにより頭(=芽)を出すモグラの数を減らし、あとは出てきたモグラを確実に叩くことが重要となります。この試験を通じて「最も良いハンマー(=除草剤)はどれか?」を探していきたいと思います。
-
アレチウリ多発ほ場
-
ポット試験の様子と出芽直後のアレチウリ(右上)
(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 主任専門研究員 尾張 利行)
このページに関するお問い合わせ
岩手県農業研究センター 畜産研究所 家畜飼養・飼料研究室
〒020-0693 岩手県滝沢市砂込737-1
電話番号:019-688-7316 ファクス番号:019-688-4327
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。