続・雑穀の新たな低コスト栽培技術をつくる ~ 狭畦平畦密植栽培の除草技術確立
県北農業研究所では、地域の宝の一つである雑穀の一層の生産拡大に向けて、本年度から栽培法の改善に取り組んでいます。穂がらみを少なくし収穫時のロスを低減するために、慣行栽培(畦間65~70cm)よりも畦間を狭くした「狭畦平畦密植栽培」(畦間30~33cm)を新たに考案し、特に収穫ロスが大きいアワについてその改善効果を調査しています。
しかし、狭畦平畦密植栽培では従来の管理機をそのまま使うことができないため、新たな除草技術を確立する必要があります。そこで、狭い畦間に対応できるよう農機メーカーY社の協力のもと、ミッドマウント型作業機注を応用し除草作業の改善を図りました。その結果、この作業機を用いることで、運転者が畦を確認しながら適確に作業できることがわかりました。
この技術の実用化を加速するため、現地に試験ほ場を2か所(軽米町、野田村)設置しており、今秋には収穫ロス低減のための試験を行う予定です。この試験を通じて、農家がより簡単に取り組める雑穀栽培技術を確立していきたいと考えています。
注 作業する部分を作業機の中ほどに取り付けるタイプのもの。作業機の後ろに作業する部分を取り付けるタイプをリアマウント型と呼ぶのに対し、ミッドマウント型と呼ばれる。
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アワ(品種:ゆいこがね)の慣行栽培と狭畦栽培の除草前の試験圃場の様子
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ミッドマウント型作業機の除草作業
(作業機の側面:写真の上部に運転者の足が写っているが、そのすぐ下に作業部がある)
(県北農業研究所作物研究室 上席専門研究員 中西 商量)
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