夢の技術か、無謀な挑戦か? ~「ザル田」での「無代かき鉄コーティング湛水直播」

ページ番号2005663  更新日 令和4年9月27日

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 全国的に普及が進んでいる鉄コーティング湛水直播は、専用播種機や無人ヘリを使うことにより、1シーズンで数十ヘクタール以上の播種が可能ですが、実際には代かき作業に時間がかかることが、播種面積の拡大を妨げる原因となっています。

 近年、この問題の解決策として「無代かき方式」が注目されていますが、この方式は「水持ちのよい水田」を選んで行う技術とされています。そのため、排水や土壌条件が多様な本県で安定的に実践するためには、特にも水持ちの悪い「ザル田」での漏水対策など、水持ちのよいほ場づくりの手法を確立する必要があります。

 そこでプロジェクト推進室では、平成26年から無代かき鉄コーティング湛水直播の研究を開始し、県内に広く分布する黒ボク土壌での漏水対策や、無代かき条件での稲の生育特性等について検討しています。

 無代かき鉄コーティング湛水直播については、県内の大規模経営体でも独自に(果敢に?)チャレンジする事例が出てきており、今後、現場の「仲間」とも連携しながら、本技術を安定的に行うためのポイントを整理していきたいと考えています。

鎮圧ローラによるほ場の床締めの様子の写真
縦軸駆動ハローの鎮圧ローラを利用したほ場の床締め効果(漏水対策)の検討
  • 無人ヘリによる播種作業の様子の写真

    無人ヘリによる播種作業

  • 無代かき条件での苗立ち状況の写真

    無代かき条件での苗立ち状況
    撮影:平成26年6月2日、左下枠内は本葉1葉期頃の様子

(プロジェクト推進室 主任専門研究員 寺田 道一)

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