初乳で病気のリスクを低減 ~ 子牛の発育や産乳性向上のための初乳給与試験

ページ番号2005681  更新日 令和4年9月27日

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 初乳には、母牛からの移行抗体である免疫グロブリンが多く含まれ、子牛はこれを腸から吸収して抗体を獲得することで、疾病から身を守ることができるようになります。免疫グロブリンは、生後24時間以後に吸収が低くなるため、それ以降の初乳給与はこれまで一般的に行われていませんでした。

 しかし近年、初乳に含まれる免疫グロブリン以外の成分も子牛の発育に影響を及ぼしているといわれており、初乳を長期間給与することで子牛の発育が良好となったという報告もあります。

 そこで畜産研究所では、平成26年度から初乳を生後2日目まで朝晩給与(全体で2リットル×4回給与)して子牛の発育を調査する試験を開始します。この試験では、初乳を介した感染症の罹患防止や殺菌による保存性の向上などを図るために、パスチャライズ処理(約60℃・30分間殺菌)したものを与えることにしています。

 ほ育期間の発育は、その後の育成期の発育に大きく影響し、初産月齢の早期化にもつながる重要な項目です。本年度から4年間で初産時の産乳性まで確認し、初乳の効果的な給与技術の確立を目指し取り組んでいきます。

  • パスチャライザー本体の写真

    パスチャライザー本体
    小型で10リットル殺菌できるタイプです

  • 殺菌ポット内部の写真

    殺菌ポット内部
    湯せん+撹はんで殺菌します

(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 主任専門研究員 伊藤 孝浩)

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