「春まきタマネギ」を岩手に定着させよう ~ 国産タマネギの新作型開発についての研究成果報告会
平成27年2月23・24日に、国産タマネギの新しい作型についての研究成果報告会(主催:独立行政法人東北農業研究センター)が、盛岡市「アイーナ」で開催されました。この報告会は、岩手、山形、富山の各県及び弘前大学が合同で取り組んだ、農林水産業・食品産業科学技術研究推進事業「東北・北陸地域における新作型開発によるタマネギの端境期生産体系の確立」に関する研究成果を報告するために開催したものです。
これまでの秋まき栽培における生産性の低さや不安定さを解消し、国産加工・業務用タマネギの端境期(7~8月)出荷を可能にする春まき栽培の技術の確立を目指したもので、本報告会には生産者、行政・試験研究機関、種苗会社、JAなどから180名以上が出席しました。
県北農業研究所からは、岩手県における作型開発の成果や雑草防除の試験結果等について次のとおり報告しました。
品種 | 「もみじ3号」が適する |
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育苗 | 288穴セルトレイに播種、培土に被覆肥料を2%添加する |
定植時期 | 4月中~下旬に行い、無マルチで栽培する |
収穫適期 | 倒伏(生長したタマネギの葉が自然に倒れた状態)から1~2週間後 |
雑草防除他 |
除草剤を2回散布することで雑草の抑制が可能。虫害により収量が3割低下 |
また、二戸農業改良普及センターからは、県北農業研究所が開発した作型によって、10アールあたり5トン以上の収量を確保した事例が報告されました。
県北農業研究所では、平成27年度も機械移植に向けた育苗技術やネギアザミウマ等の病害虫防除試験を実施し、現地のサポートを続けていきます。農業研究センターのホームページでタマネギ春まき作型に関する試験の結果を公開していますので、ぜひご覧下さい。
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報告会には東北・北陸から多くの生産者やJA、企業などが出席しました
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パネルディスカッションでは熱心な議論が交わされ関心の高さがうかがえました
(県北農業研究所園芸研究室 技師 福田 拓斗)
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