自給飼料でお肉の美味しさアップ! ~ 飼料用米等を給与した畜肉の官能評価
平成26年10月31日、畜産研究所(滝沢市)では、自給飼料を給与して生産した黒豚、肉用牛および肉用鶏の畜肉について、その美味しさを慣行肥育で生産したものと比べる「2点比較法」による嗜好型官能評価を実施しました。
今回、当研究所が試験で生産した畜肉4種の官能評価を企画したところ、独立行政法人東北農業研究センターや農業研究センター本部からの参加により、過去最大の総勢38名による官能評価を実施することができました。なお、官能評価は、豚肉及び牛肉はロース肉を切り出し塩味での焼肉で、鶏肉はムネ肉のミンチ肉から煮出したスープで行いました。
サンプルは、飼料用米や大豆から調製した自給飼料を配合した飼料を給与して生産した4種の肉で、詳細は以下のとおりです。
- 飼料用玄米を75%配合・粉砕した飼料を給与した黒豚のロース肉
- 規格外大豆を5%配合した飼料を給与した黒毛和種肥育牛のロース肉
- 大豆ホールクロップサイレージ5kg/日と飼料用とうもろこしサイレージ20~30kg/日を給与した日本短角種肥育牛のロース肉
- 飼料用籾米を30%配合した飼料を給与した肉用鶏のムネ肉
注1 1は県内の養豚農家、2~4は畜産研究所の施設において生産したもの
注2 比較に用いた対照畜肉は、慣行肥育で生産した試験と同じ家畜の同部位の肉
その結果、黒豚、黒毛和種及び日本短角種では自給飼料を配合したものが評価が高い傾向にあり、鶏肉では同等の評価でした。今後、畜肉の成分値と官能評価のデータを詳細に分析して研究成果に反映していくこととしています。
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豚肉のサンプル調理
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官能評価試験の様子
(畜産研究所家畜育種研究室 専門研究員 佐々木 康仁)
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