実験室からいよいよ現地へ ~ 低温性乳酸菌の牧草サイレージ現地添加試験

ページ番号2005635  更新日 令和4年9月22日

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 岩手県をはじめ北日本では秋の牧草収穫期の気温が低いため、最終刈取り牧草では良質なサイレージ発酵の条件である「乳酸発酵」がなかなか進みません。この課題を解決するため外山畜産研究室では、独立行政法人畜産草地研究所および東北農業研究センターとの共同研究により、涼しい環境下でも増殖が可能な「低温性乳酸菌」を活用し、乳酸発酵の促進や不良発酵(酪酸発酵)および変敗(大腸菌、酵母の増殖)の抑制など、サイレージの品質向上に関する研究を行っています。

 これまでは実験室レベルで試験を行ってきましたが、この秋農事組合法人岩手山麓デイリーサポート(八幡平市)の協力により、大規模な現地試験を実施することができました。平成26年9月19~20日の添加試験では、3番草のバンカーサイロ調製の際に新しい低温性乳酸菌(Lactobacillus hokkaidonensis)を添加しました。試験当日は、時折小雨が降るあいにくの天候でしたが、添加装置を装着した巨大な自走式ハーベスタは約70haの大面積草地を素早く収穫し、予定した作業を無事に終えることができました。

 この牧草サイレージは、翌年の開封時期にpHや乳酸含量などの品質調査を行い、低温性乳酸菌添加の効果について評価を行います。また今後は、発酵が停滞する低温時期の発酵TMRへの応用試験にも取り組む予定です。

添加装置に低温性乳酸菌をセット中の写真
添加装置に低温性乳酸菌をセット
  • 牧草を収穫中の写真

    牧草の収穫状況
    低温性乳酸菌添加中

  • バンカーサイロへ詰め込み作業中の写真

    バンカーサイロへの詰め込み作業

(畜産研究所外山畜産研究室 上席専門研究員 増田 隆晴)

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