六次化で新たな「目玉」づくりを ~ 醸造用ブドウの省力栽培法実証試験
果樹研究室では、平成25年度から沿岸地域でリンゴ、ブドウ、ユズについて「ブランド化を促進する果実の生産・加工技術の実証研究」により、被災地の農業の活性化に取り組んでいます。今回は、その中からブドウの実証試験について紹介します。
陸前高田市の有限会社神田葡萄園では、「キャンベル」や「ナイヤガラ」を使ったジュース等が有名ですが、新たな加工品の開発と販路の拡大が課題となっています。そこで、ワイン醸造など新たな商品づくりが検討されており、こうした六次産業化の取組を進めるため、高品質な醸造用ブドウ品種「アルモノワール」および「ケルナー」を導入し、垣根栽培による省力技術の実証に取り組みます。
「アルモノワール」は、赤ワイン用ブドウの新品種で、着色が良好であり、ワインにすると色が濃く、タンニンを多く含み、品質が優れる品種です。また、「ケルナー」は白ワイン用のブドウ品種で、香りが強い個性的な品種です。
垣根栽培は、長梢栽培に比べて房管理や収穫、せん定時間を短縮することができる栽培法です。平成25年4月10日に苗木の定植を行い、実証試験の準備が整いました。本年度は、定期的に生育や病害虫の発生状況を調査します。さらに今後は、地方独立行政法人岩手県工業技術センターと連携し、ワインの試験醸造など新たな加工品開発にも取り組む予定です。
注)この取り組みは農林水産省の「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」により行うものです。
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実証ほの定植後の様子
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赤ワイン用の品種「アルモノワール」(センター内ほ場)
(技術部果樹研究室 技師 田口 礼人)
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