百聞は一見にしかず、生産者の関心高く ~ 国産不耕起播種機による飼料用トウモロコシ播種実演講習会

ページ番号2005879  更新日 令和4年11月11日

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 酪農家にとって、栄養価の高い飼料用トウモロコシは魅力ある作物です。特に、昨今の配合飼料価格が高止まりしている状況にあっては、購入飼料費を抑制する効果が期待できます。家畜飼養・飼料研究室では、飼料用トウモロコシを省力的かつ低コストに生産する方法として、不耕起栽培技術の確立に取り組んできました。その結果、6年間連続して不耕起栽培した場合でも、耕起栽培と比較して遜色のない収量が得られることを証明しています。

 しかし残念なことに、この栽培技術は、県内の一部の農家でしか利用されていません。その最大の理由としては、不耕起栽培に用いる播種機が外国製で高価であること、機械自体が大型で小規模なほ場での作業に不向きなことが挙げられます。

 そうした中、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センター(以下「生研センター」)とアグリテクノ矢崎株式会社が共同開発した小型の国産機種が、平成25年4月から発売されることになりました。

 そこで早速、平成25年5月23日に、生研センターとアグリテクノ矢崎の協力のもと、葛巻町の中六角牧場で不耕起播種実演講習会を開催しました。当日は、生産者11名を含む45名が参加し、実演前の説明に真剣に耳を傾けていました。その後の実演では、石れきが多く土壌が固いというあまり条件の良くないほ場でも、問題なく播種が進んでいくのを見て、生産者から高く評価する声が聞かれました。

 この国産機種は、小規模なほ場で機動性を発揮するとともに、価格も従来の2分の1~3分の1程度と購入しやすいのが特徴です。今後とも機会をとらえて多くの生産者に見ていただくなど、積極的に情報発信しながら、不耕起栽培技術の活用による経営安定に結び付けていきたいと思います。

  • 播種機の説明に聞き入る参加者の写真

    播種機の構造・機能説明に聞き入る参加者

  • 播種機による溝切・播種作業の様子の写真

    悪条件下でも溝切・播種を確実に行う播種機

(畜産研究所家畜飼養・飼料研究室 家畜飼養・飼料研究室長 藤原 哲雄)

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