いよいよ現地で実証開始! ~ 飼料用米給与で飼料自給率&豚肉のおいしさアップ

ページ番号2005882  更新日 令和4年11月11日

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 わが国では、配合飼料原料の約9割を輸入に頼っています。このため、様々な外的要因によって配合飼料価格が変動し、畜産経営が大きな影響を受けることとなります。この影響を緩和するものとして期待されているのが飼料用米です。飼料用米は、食用米と同じ体系で生産が可能である上、輸入飼料原料の約半分を占めるトウモロコシとほぼ同じ飼料価値を持っていて、トウモロコシと代替できるからです。

 そこで畜産研究所では、平成22年度から肥育豚用配合飼料に含まれるトウモロコシなどを飼料用米に置き換えることによる、発育・産肉性・肉質への影響を調べてきました。平成24年度までに、飼料全体の重量比55%を飼料用米で置き換えても、同等の発育が得られることが分かりました。さらに、官能試験を実施したところ、飼料用米を給与した豚肉の方がおいしいという結果が得られました。

 この結果を踏まえ、いよいよ実用化・普及に向けた第一歩を踏み出すため、平成25年度から岩泉町の養豚農家の協力のもと、肥育豚への飼料用米代替飼料給与の現地実証試験を開始しました。5月21日には、農家との試験内容・方法の確認と体重測定を実施しました。本年度は春・秋の2期に分けて試験を実施し、各種データの収集・分析を行う予定です。第1期終了時の8月にどのような結果が得られるか、今から楽しみです。

  • 体重測定の様子の写真

    体重測定の様子

  • 通常飼料と飼料用米代替飼料の比較写真

    通常飼料(左)と飼料用米代替飼料(右)

(畜産研究所家畜育種研究室 専門研究員 佐々木 康仁)

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