フィリピンの野菜産地で土づくりに活用! ~「スキャナライザー」海を渡る

ページ番号2005884  更新日 令和4年11月11日

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 本県で開発された簡易土壌分析装置「スキャナライザー」が、JICA(独立行政法人国際協力機構)の農業技術プロジェクトにより、フィリピンの野菜産地ベンゲット州で導入されることになりました。この装置は、有限会社イグノス(北上市)、地方独立行政法人岩手県工業技術センターおよび当センターで共同開発したもので、スキャナーで土壌の画像を読み取ることにより、土壌中の炭素と窒素を簡易に測定できるものです。ベンゲット州では、野菜の連作によって土壌が痩せてきており、堆肥投入の目安として土壌中の炭素を測定するのがねらいです。

 平成25年1月と3月には、当研究室の研究員と有限会社イグノスの技術者が、JICAの派遣によりフィリピンに赴き、スキャナライザーを現地の土壌に適合するよう調整するとともに、現地の農業普及員に対し操作方法を指導するなど技術協力をしてきました。

 また5月27日には、JICA東南アジア・太洋州部部長と担当者、および6月から新たにフィリピン派遣となるアグリビジネス政策アドバイザーの3名が当センター所長を表敬訪問され、スキャナライザーが現地で期待されていることや、東南アジアの農業において土壌分析への意識が徐々に高まっていることなどについて、意見を交わしました。今後もアドバイザーを通じて、フィリピンでのスキャナライザーの有効活用を支援していく予定です。

  • 意見交換の様子の写真

    当センター所長(右手前)との意見交換
    (左からJICA部長、アドバイザー、担当者)

  • フィリピンでのスキャナライザー講習会の様子の写真

    フィリピンでのスキャナライザー講習会

(環境部生産環境研究室 生産環境研究室長 小林 卓史)

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