ニュータイプで水稲の吸収効率アップ ~ 新しいケイ酸質肥料の効果確認試験
ケイ酸は、水稲が多量に必要とする養分であり、その吸収量は窒素の約10倍にもなります。水稲が吸収するケイ酸は、土壌やかんがい水などから供給されますが、ケイ酸を多く含むもみ殻が収穫時にほ場から持ち出されるので、その不足分をケイ酸質肥料で補う必要があります。
一方、県内の水田土壌における施肥管理のアンケート調査結果から、ケイ酸質肥料の施用量は25年前に比べ約40%まで減少していることが明らかになっています。その要因として、ケイ酸質肥料の散布労力や肥料費がかかることや、施用後の効果を実感しにくいことが挙げられます。
ケイ酸質肥料は、作物に吸収されうるケイ酸の尺度を「可溶性ケイ酸」で定量化していますが、最近、水稲に吸収されやすいとされる「水溶性ケイ酸」が注目されてきており、水溶性ケイ酸の含有率を高めた新しいケイ酸質肥料が開発されています。
そこで、生産環境研究室では、水溶性ケイ酸の効果を確認するため、新たな肥料を含め8種類の肥料を用いて水稲のポット試験を始めました。新たな肥料を使うことにより、施用量を減らしても効率よく吸収させることができるのか、その可能性を探っていきます。

(撮影日:平成25年5月23日)
(環境部生産環境研究室 専門研究員 高橋 彩子)
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