これからが本番!種雄牛能力調査 ~ 日本短角種の改良を担う種雄牛6頭を選抜
岩手県では、もともと「南部牛」という在来の牛が荷役用に飼われていました。明治4年以降、この南部牛に外国種ショートホーン(直訳すれば“短い”角)の交配が進められ、現在の日本短角種が確立されました。正式な品種名は「日本短角種」ですが、「赤べこ」の愛称で呼ばれることもありますし、本県では、牛肉としての商品名を「いわて短角和牛」と呼んだりもしています。“短”角とはいうものの、他の品種と比べて特段に角が短いわけではなく、この名称は、短角の生い立ちに由来しています。
日本短角種の改良は今も続けられ、平成25年5月8日に当研究所で開催された「いわて短角和牛改良推進協議会注)」において、新たに改良の中心的な役割を担う種雄牛6頭が選抜されました。今後は、次のような手順で種雄牛の能力を見極めていきます。
- 選抜された6頭を引き続き当所で育成
→ 平成26年5月に各産地の放牧地で自然交配用種雄牛として供用 - 平成27年春にこれらの種雄牛を父に持つ子牛が誕生
- この子牛を種雄牛一頭当たり20頭、複数の一般農家で肥育
- 約28か月齢で食肉用に処理し、肉量・肉質等を調査
上記の過程を経て今回選抜された6頭の結果が出るのは、平成29年12月になります。種雄牛の能力評価には、長い時間がかかることをお分かりいただけたでしょうか。地道な仕事ではありますが、生産者や関係者の方々と連携しながら、本県の特産である短角牛の能力向上を図って参ります。
注)いわて短角和牛改良推進協議会
- 目的:日本短角種の産肉能力等、経済性の向上
- 構成:独立行政法人東北農業研究センター、全農岩手県本部、社団法人岩手県畜産協会、農業協同組合、市町村、岩手県
- 委員:構成機関の職員の中から、岩手県農林水産部長が委嘱
-
種雄牛の選抜風景
-
選抜された6頭の種雄牛
(畜産研究所家畜育種研究室 専門研究員 神山 洋)
このページに関するお問い合わせ
岩手県農業研究センター 畜産研究所 家畜育種研究室
〒020-0605 岩手県滝沢市砂込737-1
電話番号:019-688-4328 ファクス番号:019-688-4327
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。