これからが本番!種雄牛能力調査 ~ 日本短角種の改良を担う種雄牛6頭を選抜

ページ番号2005892  更新日 令和4年11月11日

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 岩手県では、もともと「南部牛」という在来の牛が荷役用に飼われていました。明治4年以降、この南部牛に外国種ショートホーン(直訳すれば“短い”角)の交配が進められ、現在の日本短角種が確立されました。正式な品種名は「日本短角種」ですが、「赤べこ」の愛称で呼ばれることもありますし、本県では、牛肉としての商品名を「いわて短角和牛」と呼んだりもしています。“短”角とはいうものの、他の品種と比べて特段に角が短いわけではなく、この名称は、短角の生い立ちに由来しています。

 日本短角種の改良は今も続けられ、平成25年5月8日に当研究所で開催された「いわて短角和牛改良推進協議会注)」において、新たに改良の中心的な役割を担う種雄牛6頭が選抜されました。今後は、次のような手順で種雄牛の能力を見極めていきます。

  1. 選抜された6頭を引き続き当所で育成
    → 平成26年5月に各産地の放牧地で自然交配用種雄牛として供用
  2. 平成27年春にこれらの種雄牛を父に持つ子牛が誕生
  3. この子牛を種雄牛一頭当たり20頭、複数の一般農家で肥育
  4. 約28か月齢で食肉用に処理し、肉量・肉質等を調査

 上記の過程を経て今回選抜された6頭の結果が出るのは、平成29年12月になります。種雄牛の能力評価には、長い時間がかかることをお分かりいただけたでしょうか。地道な仕事ではありますが、生産者や関係者の方々と連携しながら、本県の特産である短角牛の能力向上を図って参ります。

注)いわて短角和牛改良推進協議会

  • 目的:日本短角種の産肉能力等、経済性の向上
  • 構成:独立行政法人東北農業研究センター、全農岩手県本部、社団法人岩手県畜産協会、農業協同組合、市町村、岩手県
  • 委員:構成機関の職員の中から、岩手県農林水産部長が委嘱
  • 種雄牛の選抜風景の写真

    種雄牛の選抜風景

  • 選抜された種雄牛の写真

    選抜された6頭の種雄牛

(畜産研究所家畜育種研究室 専門研究員 神山 洋)

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