「早生まれ」子牛で周年出荷 ~ 久慈地域で日本短角種の放牧前自然交配スタート

ページ番号2005894  更新日 令和4年11月11日

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 日本短角種は、放牧地での自然交配による繁殖が主体であるため、子牛の分娩は春の一時期に集中します。その結果、肥育牛の出荷時期も偏り、牛肉流通に端境期が生じることが課題となっています。そこで外山畜産研究室では、この課題を解消するために「日本短角種の周年出荷へ向けた飼養管理技術の確立試験」を実施中です。

 これは放牧前の舎飼期に、繁殖雌牛と種雄牛とを混飼することにより自然交配を行い、通常よりも早い時期に子牛を生産する体系を確立するというものです。これまでの試験成果で、早い時期に生まれた子牛の増体成績は、通常の時期(3月頃)に生まれた子牛と同等であることがわかりました。また、試験途中ではありますが、肥育成績についても同等の成績を示しています。

 この試験成果を活用して、平成25年からJA新いわてくじ短角牛肥育部会が管理運営する「やまね繁殖センター」(久慈市)では、4月中旬から55頭の繁殖雌牛のうち、約3割の16頭を対象に放牧前の舎飼期自然交配を開始しました。毎年少しずつ繁殖の時期を早め、子牛の分娩時期を分散させることにより、短角牛肉の端境期解消を図っていく計画となっています。

  • 雄と雌を混飼中の写真

    このように牛舎と隣接するパドックを開放して雄と雌を混飼しています

  • 雌をチェックする種雄牛の写真

    雌をチェックする種雄牛

(畜産研究所外山畜産研究室 主査専門研究員 太田原 健二)

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