津波被災水田の復旧をお手伝い ~ 客土材の土壌分析で地力を改善

ページ番号2005895  更新日 令和4年11月11日

印刷大きな文字で印刷

 東日本大震災津波から3度目の春を迎えていますが、陸前高田市の津波被災農地では現在も復旧工事が進められ、特にもこの春に復旧する地区については、田植えに間に合うよう急ピッチで行われています。これまで農業研究センターでは、津波被災した水田は、除塩作業を行うことで水稲の生育・収量が確保できることを現地実証してきましたが、平成25年度以降復旧を予定する水田では新たな二つの課題を抱えています。

 一つは、津波によって従来の作土が流されたために、水田作土の客土材として山土を利用することです。山土は一般の農地土壌と比べて、水稲の生育に必要な養分が不足している可能性があるため、土壌分析による地力改善の取組が必要です。

 もう一つは、陸前高田市内に、津波により堆積した土砂が大量に存在していることです。この津波堆積土砂には、ガラスや木片などのガレキが混じっていますが、ガレキを分別した後の土砂は、海水の影響等により一般の農地土壌に比べてpHが高いことなどがすでに分かっていますので、山土との混合によりpHを下げることなどを検討しています。

 これらの課題について関係機関と連携しながら調査・実証試験を行い、永続的な農業生産が可能になるよう技術を確立していきます。

  • ほ場の復旧工事の様子の写真

    ほ場の復旧工事

  • 土壌調査の様子の写真

    土壌調査の様子

(環境部生産環境研究室 上席専門研究員 島 輝夫)

このページに関するお問い合わせ

岩手県農業研究センター 生産環境研究部 土壌肥料研究室
〒024-0003 岩手県北上市成田20-1
電話番号:0197-68-4422 ファクス番号:0197-71-1085
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。