種雄牛誕生の確率は「35,000分の?」 ~ 平成25年度「黒毛和種現場後代検定」スタート

ページ番号2005898  更新日 令和4年11月11日

印刷大きな文字で印刷

 黒毛和種の新しい種雄牛を世に送り出すまでには、とても長い時間がかかります。岩手県で行われている種雄牛造成の流れは次のとおりです。

  1. 種雄牛候補となる雄子牛(約80頭)の生産(計画交配)
  2. 生産された雄子牛の一次選抜(上位18頭)と発育等能力把握(直接検定
  3. 直接検定上位牛(二次選抜5頭)を父に持つ子牛(後代)の生産(試験交配)
  4. 後代牛の肥育・枝肉成績から父牛の能力把握(現場後代検定
  5. 新規種雄牛の最終選抜・認定

 (1)~(5)までに5年以上の月日を要し、ようやく新たな種雄牛として人工授精用精液が供給されることになります。

 岩手県では、約3万5千頭の黒毛和種の繁殖雌牛が農家で飼われていますが、その中から優秀な血統・体型・子育て能力などを持つ200頭を、種雄牛作出用の雌牛として選定しています。(1)の雄子牛生産は、この上位200頭に能力の高い種雄牛をかけあわせて行われます。(2)の直接検定は種山畜産研究室で、(3)の後代子牛生産は県内の繁殖農家等で、(4)の現場後代検定は県内の肥育農家等で行われます。県内の黒毛和種飼養農家が総力を挙げて、種雄牛づくりを行っていることがお分かりいただけると思います。

 この4月に平成25年度に開始する現場後代検定の調査牛斡旋会が、全農岩手県本部県南家畜市場および中央家畜市場で開催されました。一堂に集められた後代子牛の中から検定用の調査牛20頭(種雄牛候補1頭あたり)が選ばれ、肥育農家のもとへと運ばれて行きました。結果が出るのは約2年後ですが、今から新しい県有種雄牛の誕生が持ち望まれるところです。

  • 調査牛20頭を選抜中の写真

    調査牛20頭の選抜(中央家畜市場)

  • 父牛ごとの特徴を説明中の写真

    父牛ごとの特徴を説明(県南家畜市場)

(畜産研究所種山畜産研究室 専門研究員 大崎 翔)

このページに関するお問い合わせ

岩手県農業研究センター 畜産研究所 種山畜産研究室
〒029-2311 岩手県気仙郡住田町世田米字子飼沢30
電話番号:0197-38-2312 ファクス番号:0197-38-2177
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。