種山ヶ原に待望の春 ~ 厳しい寒さを乗り越え、緑のじゅうたん広がる
この冬は、北日本では2年連続の寒冬となり、各地で記録的な積雪が報じられました。種山畜産研究室に最も近い気象庁の観測地点は、同じ住田町内でも当室より標高が約700メートル低い所にありますが、平成25年1~2月の最低気温は平年より5度以上低く、やはり体感どおりの寒い冬だったことが分かります。
当研究室では、平成24年秋に放射性物質の除染対策を兼ねて約30ヘクタールの草地更新を行いました。当室の牧草地は、表土が薄くすぐ下に岩があるため、工法としてプラウによる反転耕はできません。そのため、ディスクハロー(カトロス)による撹拌耕を念入りに繰り返しました。
秋は比較的好天に恵まれ、9月に播種した牧草は雪が降る前に5cmほどに育った状態で冬を迎えました。ある程度の積雪があれば、雪の下で牧草の若芽も寒さから守られるのですが、この冬は風が強かったため雪が吹き飛ばされて、寒さに直接さらされてしまうのではないかと心配していました。
しかし、4月を迎えその心配は無用だったことが分かりました。雪が消えるにつれて牧草が顔をのぞかせ、緑のじゅうたんが拡がってきました。想定していた以上の順調な生育に、職員一同胸をなでおろしています。今後、この牧草地で生産された良質で安全な乾草を食べさせて、優良種雄牛の育成を待ち望む黒毛和種生産者の期待に応えていきたいと思います。
-
冬越しの新播牧草
-
日増しに色濃くなる緑のじゅうたん
(畜産研究所種山畜産研究室 次長兼種山畜産研究室長 菊池 雄)
このページに関するお問い合わせ
岩手県農業研究センター 畜産研究所 種山畜産研究室
〒029-2311 岩手県気仙郡住田町世田米字子飼沢30
電話番号:0197-38-2312 ファクス番号:0197-38-2177
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。