薪ストーブでイチゴハウスをエコ暖房 ~ 地元林産資源を活用した施設園芸の実証研究
南部園芸研究室では、国から委託を受け県内外の企業や研究機関と共同で、あまり使われていない林産資源を活用した施設園芸の実証研究を陸前高田市米崎町で実施しています。栽培ハウスには、気仙地域で産出される杉の規格外材を柱などの構造に利用する「木骨ハウス」を、ハウス加温には、薪を燃料とするバイオマス加温機を開発・利用しています。
このうちバイオマス加温機は、釜石市の石村工業株式会社の園芸用薪ストーブを改良したもので、丸太状の薪を燃料にしています。夕方に着火して、朝まで薪を補給せずに済むように、薪を投入するホッパーの容量を360リットルに広げています。また、補助用に灯油バーナーを取り付けて燃焼の安定性を向上させています。さらに、お湯を沸かしてこれをイチゴの加温に活用できるようにしています。
現在100坪の木骨ハウスで実証試験を行い、薪の燃焼だけで8時間程度までハウス内の温度を確保できるようになりました。今後は、最も冷え込む朝方に薪ストーブの威力を発揮できるようタイマーで着火するなど、より使いやすいよう機能に改良を加えていく予定です。
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薪ストーブの設置状況
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燃料として用いる薪
(技術部南部園芸研究室 主査専門研究員 山田 修)
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