DNA解析で家畜改良の更なる効率アップを ~ 依頼研究員として最先端の技術を学ぶ
平成25年8月から10月までの3ヵ月間、依頼研究員として茨城県つくば市にある独立行政法人農業生物資源研究所で、家畜DNA解析の最新技術を学ぶ機会を得ました。
畜産研究所では、これまで特定遺伝子のDNAマーカーを用いて、本県肉牛集団における枝肉重量やBMSナンバー等の枝肉形質との関連を解析し、当該遺伝子が及ぼす影響の程度などを明らかにしてきたほか、黒毛和種の新しい種雄牛づくりでは、産肉能力の向上に期待できる遺伝子を保有しているかどうかを確認し、効率的で精度の高い種雄牛造成に役立ててきました。
一方、近年のDNA解析技術は飛躍的な進歩を遂げており、特定の遺伝子ではなく遺伝子全体を網羅した解析が短時間でできるようになってきました。そうした技術をいち早く習得し、本県の家畜改良にも活用できるようにすることが、今回の研修の目的です。
見るもの聞くもの全てが新しく、3か月はあっという間に過ぎました。学んだことの全てを身に着けるまでには至りませんでしたが、解析の基本的な理論や最新機器の操作を習得し、期間中に開催された高校生対象の先進科学技術体験コースでは、指導助手を務めさせていただきました。さらには、派遣期間中に関連する学術集会等に参加して、同じ分野に関わる研究者の方々とも知り合うことができました。この貴重な経験を、今後の試験研究を通じて本県の家畜改良に活かしていきたいと思います。
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個体間のDNAの差異を短時間で識別する機器
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1枚のプレートで48頭分のDNA検査ができるチップ

(畜産研究所家畜育種研究室 専門研究員 熊谷 祐宏)
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