省力・低コスト技術で復興支援 ~ ソバ&大豆の畦立て播種実証試験スタート!
東日本大震災津波により大きな被害を受けた沿岸部の水田では、現在復旧作業が進められており、徐々に作付けが再開されていますが、内陸部に比べほ場の区画が小さく、かつ分散しているため、作業効率の向上とコスト低減が求められています。そこで、プロジェクト推進室では、これらの課題解決に向けて陸前高田市では大豆、大槌町ではソバのディスク式畦立て播種機による湿害軽減播種実証試験を平成25年度から実施しています。
ディスク式畦立て播種機のベースとなるディスク式中耕除草機は、大豆の管理作業機として、独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 生物系特定産業技術研究支援センターが開発した機械で、小型のトラクタ(20~30PS)に装着可能な動力を必要としない作業機で、土壌の湿潤条件に強く、軽量・コンパクトなシステムを構築することで、機動性が期待できます。これに改良を加えて、作業機のメリットを活かしたまま畦立て播種機仕様にしたものを平成24年度に開発し、研究成果として公表しました。
陸前高田市のダイズは6月26日に、大槌町のソバは8月6日に畦立て播種作業を行いました。小区画ほ場でも順調に作業でき、想定していた機動性が十分に発揮され、技術の導入効果が期待されます。その後、播種後の降雨により、対照区として設置したほ場(ソバ:散播、ダイズ:平畦播種)との苗立ちや生育の違いが明らかになり、畦立て播種の湿害軽減効果が実証される結果が得られています。
注)本実証試験は、農林水産省委託事業「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」により実施しているものです。
-
陸前高田市小友地区の大豆畦立て播種作業
(撮影日:平成25年6月26日) -
同じく播種1ヵ月後の生育状況
(撮影日:平成25年7月25日)

(左手前:対照区(平畦播種)、右手前:ディスク畦立て播種区)
(プロジェクト推進室 上席専門研究員 高橋 昭喜)
このページに関するお問い合わせ
岩手県農業研究センター 生産基盤研究部 水田利用研究室
〒024-0003 岩手県北上市成田20-1
電話番号:0197-68-4412 ファクス番号:0197-71-1081
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。