TPP、飼料価格…ホットなテーマで畜産の将来を考える ~ 「岩手県畜産技術連盟研究会」開催

ページ番号2005813  更新日 令和4年11月4日

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 平成25年9月27日、本県在住の畜産関係技術者・研究者等を会員とする「岩手県畜産技術連盟」の平成25年度研究会が、約60名の出席のもとに盛岡市内のホテルで開催されました。本年は、国民の関心が高いTPP(環太平洋パートナーシップ協定)交渉や、依然として高値が続く配合飼料価格問題に焦点を当て、次の二題の講演が行われました。

  1. 畜産物流通のグローバル化と畜産技術開発の方向性
    (講師:農林水産省農林水産技術会議 研究推進課長 塩谷和正氏) 
  2. 世界の穀物情勢と全農の取組
    (講師:全農畜産生産部推進商品開発課 剱持和幸氏)

 塩谷氏の講演では、畜産に欠くことのできない穀物が、新興国の経済成長等に伴い今後一層需給ひっ迫の見込みであること、そのため穀物価格が過去の水準に戻る可能性が低いこと、さらに、そうした中で我が国牛肉生産の課題は、素牛価格をいかに下げられるかにかかっている、との見解が示されました。続く剱持氏の講演では、飼料価格決定要因の解説と、飼料用トウモロコシの安定的な調達を目指した全農の輸入産地多元化の取組が紹介されました。

 講演後、会場の参加者と講師の間で活発な質疑応答が行われました。「世界の人口増加による食糧危機も叫ばれている中で、人間と家畜が穀物を奪い合う構図に見えるが、果たして畜産をやっていていいのだろうか」という質問に対して、在ローマ日本大使館で国連食糧農業機関(FAO)も担当されたことのある塩谷講師からは、「FAOの場でも、動物性蛋白質は重要だという認識であり、畜産は要らないということにはならない。効率生産と品質の両面での技術開発を行うべきだ」との回答がありました。

 第一線で活躍されている講師から、グローバルな視点でのご講演をいただき、大変有意義な研究会となりました。

  • 剱持氏の講演風景の写真

    剱持氏の講演風景

  • 熱心に聴き入る参加者の写真

    熱心に聴き入る参加者

(畜産研究所外山畜産研究室 主査専門研究員 増田 隆晴)

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