草地更新から2ヵ月で放牧開始! ~ 放牧地の春季更新技術の確立に挑戦(2)

ページ番号2005844  更新日 令和4年11月10日

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 平成25年度の新規課題「生育速度の早い草種等を用いた放牧草地の春期更新・早期利用技術体系の確立」に取り組んで約2か月を過ぎた去る7月22日に、黒毛和種繁殖雌牛17頭の放牧を開始することができました。

 本年の盛岡は、5~6月にかけて少雨(平年比46%)で経過しましたが、一転して7月には平年比249%という過去最大の降水量を記録しました。さらに、7月の月間日照時間は、過去2番目に少ない64.2時間という不順な天候となり、5月上旬に更新播種した牧草の生育への影響が心配されました。

 しかし、6~7月に気温がやや高めに推移したことも幸いして、放牧地の草丈は、7月中旬に放牧の目安としていた30cmを超えました。期待していたとおりイタリアンライグラスの生育は旺盛で、同時に播種したオーチャードグラスよりも放牧開始時点で10cmほど長く、その茎葉は光沢を放ち牛の食欲をそそるようでした。

 放牧開始当日、霧雨の中で牛たちは首を伸ばし、舌でからめ捕るようにムシャムシャと新播牧草を食べていました。約2ヘクタールの試験実施放牧地は、1週間もすれば草が食べつくされてしまいます。ほぼ食べつくした頃に、一般の放牧地に移動させ、試験放牧地の草が伸びて放牧できる状態になってから再び放牧する、というサイクルを10月末頃まで繰り返して、草地の状態等を調査していく予定です。

  • 生育旺盛なイタリアンライグラスの写真

    生育旺盛なイタリアンライグラス

  • 牧草を食む牛たちの写真

    “霧中で夢中に”牧草を食む牛たち

(畜産研究所外山畜産研究室 専門研究員 佐々木 正俊)

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