葉いもちに負けない品種を育てる ~ 水稲の葉いもち抵抗性検定試験
技術部作物研究室・水稲育種チームでは、良食味、収量、高度耐冷性、いもち病に強いといった重要な特性を持った水稲の有望系統を選抜し、新品種を育成しています。育成していく過程には様々な試験がありますが、その中から今回は葉いもちの特性検定について紹介します。
いもち病はイネの重要な病害であり、発病する部分や時期によって葉いもち、穂いもち他に分類されています。葉いもちは、穂いもちの伝染源となり減収や品質の低下につながることから、葉いもちに対する抵抗性を有することは重要です。
葉いもちに対する抵抗性を調べるためには、多肥・晩播・畑地といった葉いもちが発病しやすい条件で栽培します。発病後、葉いもちの病徴を0~10までの11段階で、達観で調査します。その結果、葉いもちに弱いものは育成を途中で中止し、強いものだけを残していきます。
曇りや雨の日が続き、葉が結露しやすくイネが軟弱に育つと、葉いもちの発生が助長されます。水田ほ場でのいもち病への警戒を怠らず、結果を正確に評価できるよう日々意識をもって試験に臨みたいと思います。
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達観調査の様子
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葉いもちの病斑
(技術部作物研究室 技師 太田 裕貴)
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