やませにも負けず、干ばつにも負けず ~ 被災後の復旧水田での湛水直播栽培実証試験
プロジェクト推進室では、陸前高田市の復旧水田において水稲湛水直播栽培の実証試験を実施しています。平成25年度は「カルパーコーティング土中条播」、「鉄コーティング表面条播」、動力散布機による「鉄コーティング表面散播」の3種類の播種方法について検討しています。今回は、実証ほ場の生育状況についてご紹介します。
本年は、5月上旬~中旬の低温や6月の干ばつによる水不足の影響が心配され、また、一部のほ場ではスズメの食害を受けたものの、内陸部での直播栽培と同等の苗立ち本数を確保することができました。7月17日現在、最高分げつ期(茎の数が最も多い時期)をむかえ、一見すると移植栽培と区別がつかないほど順調な生育となっています。実証試験を行っている広田半島営農組合の組合員からは、「直播栽培でこんなに生育が良くなるとは思っていなかった」と驚きの声が上がっています。
今後は、沿岸特有の夏季冷涼な気象条件下での生育や収量、玄米品質、生産コスト、労働時間などについて検討を行い、沿岸地域に適した直播栽培技術の確立を目指していきます。
注)本実証試験は、農林水産省委託事業「食料生産地域再生のための先端技術展開事業」により実施しているものです。

(上段:平成25年6月11日撮影、下段:同 7月17日撮影)
(プロジェクト推進室 主任専門研究員 臼井 智彦)
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