化学→物理→原因は何だ!? ~ 大豆の低収要因を調査しています

ページ番号2005857  更新日 令和4年11月10日

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 岩手県の大豆は、10アールあたり250kgを超えるような高い収量のほ場がある一方、土壌の化学性不良、ほ場の排水不良、雑草害、病虫害など様々な要因で収量の低いほ場も多く見られます。

 平成24年度に、土壌の化学性と大豆の生育収量について調査した結果、pHの改良や適正施肥を行い土壌化学性を適正に保っていても、大豆の収量が低い事例が多く見られました。このため平成25年度は、土壌の硬さ、排水性、作土の深さ、砕土率などの土壌物理性と大豆の生育・収量について調査を行っています。

 農業研究センターでは、奥州市の大豆生産組合や農業改良普及センターと協力しながら、収量の高いほ場と低いほ場での土壌物理性と大豆生育の関係について調査をしています。また、奥州市胆沢区と花巻市石鳥谷町では、生産組合、普及センター、農機具メーカーが大豆の増収のための実証試験を行っていることから、これらのほ場についても同様の調査を実施しています。

 具体的には、胆沢区では作土の浅いほ場でスタブルカルチ(荒おこし)を施工し、作土深改善の実証を行っています。また石鳥谷町では、重粘土の圃場にハーフソイラを施工し、排水性を高める実証を行っています。今後、作土深やほ場の排水性の良否が、大豆の根の張り方や生育、収量にどのような影響を及ぼすか調査していく計画です。

  • 降雨後の排水不良ほ場の写真

    排水不良ほ場の降雨後の様子
    20mm程度の雨では一見大丈夫そうに見えますが…

  • 滞水している様子の写真

    作土を5cmくらい掘ってみると水が溜まっています

(環境部生産環境研究室 主査専門研究員 菊池 淑子)

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