省力&低コスト稲作の立役者をめざして ~ 水稲直播向け多収品種の開発
田植えをせずに、直接水田に種籾を播く「直播栽培」は、岩手県内でも近年急増しています。直播栽培は育苗が不要なため、省力・低コスト化などが期待できますが、通常の移植用品種をそのまま用いると、「苗立ち率注)が低い」、「倒伏しやすい」、「熟期が遅れる」などの問題があります。
そこで当センターでは、地方独立行政法人青森県産業技術センターや公益財団法人岩手生物工学研究センターと共同で、平成22~24年の3カ年、水稲直播栽培技術の確立と直播適性に優れる多収品種の育成に取り組みました。この研究の成果のひとつとして、苗立ち性に優れ、耐冷性が強い、短稈・多収系統の「岩手109号」を育成しました。
平成25年は所内及び現地で、他の品種などと比べて総合的に最も苗立ちが優れる「岩手109号」を播種しています。当センターでは、将来的に本系統が直播栽培推進の一助となることを期待しています。
注)苗立ち率:播いた種子数に対して、順調に生育した苗数の割合。
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直播試験の様子
左から「岩手108号」「ひとめぼれ」「岩手109号」 -
苗立ちの良否を比較する試験
(技術部作物研究室 上席専門研究員 小綿 寿志)
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