お隣同士の連携を強みに! ~「DNAマーカー」で分かる食味の良し悪し

この写真では1~6のうち、
4と5が目的の遺伝子を持つ
ことが確認できます
「おいしいお米はこうしてできる」シリーズの第4回です。今回は、DNAマーカーを利用した「おいしい」お米の新しい開発方法について紹介します。
通常、お米(イネ)の品種を開発するには最低でも10年が必要です。しかし、近年「DNAマーカー」を利用して“おいしさ”などの優良形質を持つお米を、早い段階で選抜できる新しい方法が確立されました。この方法は、各個体の持つDNA(遺伝情報)を可視化することで、目的の遺伝子を持つ個体を選抜できます。
当センターも、隣接する公益財団法人岩手生物工学研究センター(以下、生工研)と連携して、その技術を利用した品種開発を行っています。当センターと生工研の共同研究では、「おいしさ」のうち“粘り”がやや強くなる遺伝子を識別するDNAマーカーを開発し、アミロース等の成分分析や食べ比べ(食味試験)を実施する前に、「おいしい」遺伝子を持つ個体を選ぶことができるようになりました。
今後も「おいしさ」だけでなく、「耐病性」や「耐冷性」、「耐倒伏性」などに注目して、DNAマーカーの開発と品種開発への応用を迅速に進めていきます。

隣接しているメリットを生かして、協力して研究開発を行っています
(技術部作物研究室 専門研究員 川代 早奈恵)
このページに関するお問い合わせ
岩手県農業研究センター 生産基盤研究部 作物育種研究室
〒024-0003 岩手県北上市成田20-1
電話番号:0197-68-4414 ファクス番号:0197-71-1081
お問い合わせは専用フォームをご利用ください。