“黄金の國いわて”から“黄金のアワ”を! ~ アワ新品種育成の取組
アワの消費地、特に関西以西では、黄色い粒のもちアワが求められています。県北地域で主につくられているアワ在来品種「平(たいら)」は、粒が黄色いのですが小粒で収穫量が少ないという欠点があります(下表参照)。
そこで、県北農業研究所では「粒が大きくて黄色が鮮やかな多収のもちアワ」の新品種育成を目標に、平成17年に粒が大きくて黄色が鮮やかな在来品種と、多収の本県雑穀優良系統「大槌10」の人工交配を行い、選抜を重ねて現在2系統に絞り込みました。
品種・系統名 |
稈長 (cm) |
穂長 |
穂数 |
子実収量 |
子実収量 |
千粒重 |
胚乳色 |
色彩値注) |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
岩手糯3号 |
139 |
18.8 |
43.7 |
27.9 |
142 |
2.22 |
黄 |
41.80 |
岩手糯4号 |
145 |
18.3 |
46.9 |
26.4 |
141 |
2.34 |
黄 |
42.26 |
平 |
143 |
17.9 |
36.5 |
18.8 |
(100) |
1.82 |
黄 |
36.52 |
大槌10 |
154 |
17.2 |
52.1 |
32.4 |
146 |
2.00 |
白 |
21.53 |
「平」:粒は黄色いが低収、「大槌10」:多収だが粒は白い
注)数値が大きいほど黄色味が強いことを示す
本年度は、現地試験を行い系統の特性を把握するとともに、生産・実需の方からもご意見をいただいています。特にも岩手大学の先生方には“炊いたり加工した際に、これまでの品種より鮮やかな黄色(黄金のアワ)になる”との評価をいただきました。こうした特長を活かし、この系統の新たな活用法を展開できるよう、今後、食産業関係者等のご意見もいただきながら、平成25年度中の品種登録申請を目指しています(その後さらに、粒の黄色味が強い“黄金のキビ”についても申請予定です)。
なお、このアワ新品種候補系統は、平成24年8月31日~9月1日に行われる「軽米地区県公所合同一般公開デー」で試食と栽培圃場の見学を予定しておりますので、ぜひお越しください。
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アワ精白粒
左:育成系統、右:現行品種「平」 -
アワ粉を混ぜた大福の皮
上段が育成系統を混ぜたもの(数値は混合率)
育成系統は明るい黄色で「平」の半量で同程度の着色
(県北農業研究所作物研究室 主査専門研究員 仲條 眞介)
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