“黄金の國いわて”から“黄金のアワ”を! ~ アワ新品種育成の取組

ページ番号2005970  更新日 令和6年3月13日

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 アワの消費地、特に関西以西では、黄色い粒のもちアワが求められています。県北地域で主につくられているアワ在来品種「平(たいら)」は、粒が黄色いのですが小粒で収穫量が少ないという欠点があります(下表参照)。

 そこで、県北農業研究所では「粒が大きくて黄色が鮮やかな多収のもちアワ」の新品種育成を目標に、平成17年に粒が大きくて黄色が鮮やかな在来品種と、多収の本県雑穀優良系統「大槌10」の人工交配を行い、選抜を重ねて現在2系統に絞り込みました。

アワ新品種候補系統の特性

品種・系統名

稈長

(cm)

穂長
(cm)

穂数
(本/m2

子実収量
(kg/a)

子実収量
(%)

千粒重
(g)

胚乳色

色彩値注)
b*

岩手糯3号

139

18.8

43.7

27.9

142

2.22

41.80

岩手糯4号

145

18.3

46.9

26.4

141

2.34

42.26

143

17.9

36.5

18.8

(100)

1.82

36.52

大槌10

154

17.2

52.1

32.4

146

2.00

21.53

「平」:粒は黄色いが低収、「大槌10」:多収だが粒は白い
注)数値が大きいほど黄色味が強いことを示す

 本年度は、現地試験を行い系統の特性を把握するとともに、生産・実需の方からもご意見をいただいています。特にも岩手大学の先生方には“炊いたり加工した際に、これまでの品種より鮮やかな黄色(黄金のアワ)になる”との評価をいただきました。こうした特長を活かし、この系統の新たな活用法を展開できるよう、今後、食産業関係者等のご意見もいただきながら、平成25年度中の品種登録申請を目指しています(その後さらに、粒の黄色味が強い“黄金のキビ”についても申請予定です)。

 なお、このアワ新品種候補系統は、平成24年8月31日~9月1日に行われる「軽米地区県公所合同一般公開デー」で試食と栽培圃場の見学を予定しておりますので、ぜひお越しください。

  • アワ精白粒の比較写真

    アワ精白粒
    左:育成系統、右:現行品種「平」

  • アワ粉を混ぜた大福の皮の比較写真

    アワ粉を混ぜた大福の皮
    上段が育成系統を混ぜたもの(数値は混合率)
    育成系統は明るい黄色で「平」の半量で同程度の着色

(県北農業研究所作物研究室 主査専門研究員 仲條 眞介)

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〒028-6222 岩手県九戸郡軽米町大字山内23-9-1
電話番号:0195-47-1073 ファクス番号:0195-49-3011
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