どんな形が似合うかな? ~ ぶどうオリジナル品種「エーデルロッソ」の花穂整形法

ページ番号2005975  更新日 令和4年11月17日

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 農業研究センター(北上市)のぶどう園地では、キャンベルアーリーの開花が平成24年6月12日から始まり、平年並みの開花期となりました。ぶどうの花といっても一般の方は、めったにご覧になる機会がないと思います。そこで今回は、当研究室が育成し寒さに強く食味の良い、赤色大粒の品種「エーデルロッソ」の花を紹介します。

 写真1で緑色に見える小さな粒がぶどうの花です。この1つ1つが将来ぶどうの粒になり、私たちが目にしているぶどうの房となります。ぶどうには花びらが無く、花は帽子のようなもの(花冠)で覆われています。開花は、この花冠が裂けて開くことで起こります。開いた後の花冠はぽろぽろと落ち、写真2のようにめしべとおしべが露出します。

 この時期の栽培管理として、余分な花を落とす作業(花穂整形)があります。これは一房あたりの粒の数を制限することで、房の形を整え粒を充実させる目的で行います。花穂整形の方法は品種により異なっていますが、「エーデルロッソ」では最適な花穂の長さなどがまだ分かっていません。そのため、現在「エーデルロッソ」に適した花穂整形方法の検討を行っています。

 この他にも「エーデルロッソ」を対象に、ジベレリンによる無核化(種なし化)の検討や、管理がしやすい短梢棚利用栽培の検討等を行っています。「エーデルロッソ」の苗木は、本年の春から供給されていますので、実が成るまでに試験結果をまとめられるよう、がんばって取り組んでいます。

「エーデルロッソ」の花穂の写真
写真1 「エーデルロッソ」の花穂
左:花穂整形前、右:花穂整形後
花冠が取れた後の花の写真
写真2 花冠が取れた後の花
めしべの周りをおしべが取り囲んでいます

(技術部果樹研究室 技師 田口 礼人)

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