いよいよ最終段階!GPSナビでムダ・ムラのない草地管理
岩手県の強みは、豊かな牧草資源に恵まれていることです。大型のトラクターが広大な草地を駆け巡り、土を耕し種をまき、肥料や農薬の散布を行う様子は壮観です。しかし、草地には目印があるわけでなく、傾斜があって見通しがきかないところもあります。このため、これまでの勘に頼った作業では、肥料や農薬のダブり(ムダ)や隙間(ムラ)が生じることが悩みの種でした。
畜産研究所では、この問題を解決するため、GPS(全地球測位システム)を活用した技術の開発に取り組んできました。GPSは、もともと米国が人工衛星を用いて軍事目的で開発したシステムですが、今では、非軍事的な用途に広く使われています。身近な例では「カーナビ」があり、自分の車が現在どこを走行しているかがモニターに表示されます。これと同じ原理でトラクターにGPS装置を取り付けて、作業で通過した部分をモニターに表示して、散布漏れや作業の重複が生じていないか確認することができます。
平成23年までに、肥料や除草剤の散布作業での効果を確認しており、開発の最終段階の平成24年度は牧草反転作業での実用性を調査します。農家の皆さんに、少しでも早く省力・低コストな草地管理技術を提供できるようがんばっています。


左:飼料用トウモロコシ、右:不定形・波丘草地
(畜産研究所外山畜産研究室 主査専門研究員 増田 隆晴)
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