新たな家畜改良の担い手が14名誕生! ~「ET講習会」無事終わる
突然ですが「ET」といえば、かのスティーブン・スピルバーグ監督のSF映画!……ではありません。この記事でいう「ET」とは地球外生命体などではなく、“E”はEmbryo(胚)、“T”はTransfer(移植)の頭文字です。「胚」とは「個体発生の初期の段階のもの」で、動物の場合は「受精卵」がそれに当たります。ということで、タイトルの「ET講習会」とは、「受精卵移植講習会」の略称で、岩手県主催の平成24年度講習会が畜産研究所(滝沢村)で開催され、平成25年2月26日に全カリキュラムが終了しました。
この講習会は、家畜改良増殖法注)に基づいて行われています。この法律では「家畜人工授精師」の免許を次の3つに区分し、それぞれに必要な知識・技術を身に着けるための講習会の受講が義務付けられています。
- 精液を用いる人工授精に係るもの
- 体内受精卵を用いる移植に係るもの
- 体外受精卵を用いる移植に係るもの
今回の講習会は2. に該当するもので、既に1. の免許を持っている家畜人工授精師が対象です。法律で定められた学科および実習の指導を、当研究所の職員が分担して対応しました。直径0.15mmの受精卵を、顕微鏡で覗きながらピペットで操作するなど、細かな作業に苦戦していましたが、最終日に行われた試験では、受講した14名(岩手県外の受講者1名を含む)全員が合格し、受精卵移植の資格を取得することができました。この14名が本県の家畜改良の担い手として活躍してくれることを期待しています。
注)家畜改良増殖法:家畜の改良増殖の計画的推進、種畜の確保、家畜登録制度、家畜人工授精及び家畜受精卵移植に関する規制等による、家畜の改良増殖の促進・畜産の振興・農業経営の改善が目的。
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顕微鏡下での受精卵操作
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モニター画面での受精卵観察

(畜産研究所家畜育種研究室 主査専門研究員 児玉 英樹)
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