優れた脂肪交雑で肉質アップに期待! ~ 日本短角種種雄牛5頭の現場後代検定成績が確定

ページ番号2005918  更新日 令和4年11月15日

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 平成21年度から現場後代検定を開始した種雄牛5頭の成績が、平成25年1月17日に開催された「日本短角種検定委員会」で認定されました。種雄牛の現場後代検定とは、能力を知りたい種雄牛を父に持つ子牛を、実際に肥育農家(現場)で一定期間肥育していただき、発育や肉質などの成績をもとに評価するものです。

 下表に示すとおり今回の結果は、全体として「脂肪交雑」が優れていることが特徴です。特に、「勝花」は歴代1位、「松福」と「良錦」は歴代2位の好成績をあげました。日本短角種は、「赤身肉が売り」ではありますが、その一方でユーザーからは肉質の「きめ・しまり」の改善が求められています。この「きめ・しまり」は、「脂肪交雑(サシ)」と密接に関連していることから、上記3頭の種雄牛の供用により改良が進むことが期待されます。

 また、「松福」については、一般牛の出荷月齢27か月と比較して約2か月若いにも関わらず枝肉重量では上回っており、「質」と「量」の双方を兼ね備える優れた種雄牛ということができます。このため、広く生産者の皆様に利用していただけるよう、人工授精用精液を生産することとしています。

現場後代検定成績が認定された種雄牛と検定牛(去勢)の成績(平均値)
名号

勝花

松福

吉誉

良錦

栄光

一般牛注2)

生年月日

平成18年1月17日

平成18年2月2日

平成18年3月25日

平成18年4月7日

平成18年3月4日

 

産地

岩泉町

久慈市

岩泉町

岩泉町

盛岡市

 

出荷月齢

25.0

25.1

25.1

24.8

22.9

27.0

枝肉重量

421.0

456.1

(1位)

447.6

445.4

418.8

452.9

ロース芯面積

51.2

50.3

54.4

(2位)

50.2

49.7

51.6

バラの厚さ

6.9

7.0

7.1

(5位)

7.3

(3位)

6.6

7.0

皮下脂肪の厚さ

2.9

2.6

2.5

2.4

2.4

2.7

歩留基準値

72.8

72.6

73.4

(2位)

73.1

72.9

72.7

脂肪交雑

2.8

(1位)

2.6

(2位)

2.2

2.6

(2位)

2.3

(5位)

2.2

注1)括弧書き順位は、現場後代検定成績のある種雄牛における歴代順位(上位5位以内)
注2)一般牛は、検定牛と同時期に生まれ、検定条件と同じ月齢でと畜されたもの

「松福」号の写真
人工授精用精液の生産を開始する「松福」号

(畜産研究所家畜育種研究室 主任専門研究員 鈴木 強史)

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