優れた脂肪交雑で肉質アップに期待! ~ 日本短角種種雄牛5頭の現場後代検定成績が確定
平成21年度から現場後代検定を開始した種雄牛5頭の成績が、平成25年1月17日に開催された「日本短角種検定委員会」で認定されました。種雄牛の現場後代検定とは、能力を知りたい種雄牛を父に持つ子牛を、実際に肥育農家(現場)で一定期間肥育していただき、発育や肉質などの成績をもとに評価するものです。
下表に示すとおり今回の結果は、全体として「脂肪交雑」が優れていることが特徴です。特に、「勝花」は歴代1位、「松福」と「良錦」は歴代2位の好成績をあげました。日本短角種は、「赤身肉が売り」ではありますが、その一方でユーザーからは肉質の「きめ・しまり」の改善が求められています。この「きめ・しまり」は、「脂肪交雑(サシ)」と密接に関連していることから、上記3頭の種雄牛の供用により改良が進むことが期待されます。
また、「松福」については、一般牛の出荷月齢27か月と比較して約2か月若いにも関わらず枝肉重量では上回っており、「質」と「量」の双方を兼ね備える優れた種雄牛ということができます。このため、広く生産者の皆様に利用していただけるよう、人工授精用精液を生産することとしています。
名号 |
勝花 |
松福 |
吉誉 |
良錦 |
栄光 |
一般牛注2) |
---|---|---|---|---|---|---|
生年月日 |
平成18年1月17日 |
平成18年2月2日 |
平成18年3月25日 |
平成18年4月7日 |
平成18年3月4日 |
|
産地 |
岩泉町 |
久慈市 |
岩泉町 |
岩泉町 |
盛岡市 |
|
出荷月齢 |
25.0 |
25.1 |
25.1 |
24.8 |
22.9 |
27.0 |
枝肉重量 |
421.0 |
456.1 (1位) |
447.6 |
445.4 |
418.8 |
452.9 |
ロース芯面積 |
51.2 |
50.3 |
54.4 (2位) |
50.2 |
49.7 |
51.6 |
バラの厚さ |
6.9 |
7.0 |
7.1 (5位) |
7.3 (3位) |
6.6 |
7.0 |
皮下脂肪の厚さ |
2.9 |
2.6 |
2.5 |
2.4 |
2.4 |
2.7 |
歩留基準値 |
72.8 |
72.6 |
73.4 (2位) |
73.1 |
72.9 |
72.7 |
脂肪交雑 |
2.8 (1位) |
2.6 (2位) |
2.2 |
2.6 (2位) |
2.3 (5位) |
2.2 |
注1)括弧書き順位は、現場後代検定成績のある種雄牛における歴代順位(上位5位以内)
注2)一般牛は、検定牛と同時期に生まれ、検定条件と同じ月齢でと畜されたもの

(畜産研究所家畜育種研究室 主任専門研究員 鈴木 強史)
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