おいしさで「お米育ち」に軍配 ~ 飼料用米給与豚肉の官能試験を行いました

ページ番号2005919  更新日 令和4年11月15日

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官能試験結果の円グラフ
官能試験結果
おいしかったのはどちら?

 家畜育種研究室では、現在バークシャー種という豚に飼料用米を食べさせて、発育や肉質などへの影響を見る試験を実施しています。食用米の消費減少によって、これまで国内の水田では生産調整が実施されてきました。これを飼料用米の生産に振り向けて、水田の有効活用と飼料自給率の向上の一石二鳥を狙う、農林水産省の委託プロジェクト研究(通称:「国産飼料プロ」)の一貫として、平成22年度から実施しているものです。
 

 これまでの試験では、配合飼料に含まれる輸入穀物のトウモロコシ・マイロを県内で生産された飼料用米に置き換えても、発育等に差は見られませんでした。一方、肉のおいしさに関係する脂肪酸組成については、プラスに働くオレイン酸の割合には差が認められませんでしたが、マイナスに働くリノール酸の割合が有意に減少するという結果が得られました。そこで、一般配合飼料給与の豚肉と飼料用米給与の豚肉を実際に食べ比べてもらい、どちらをおいしく感じるか質問したところ、18人中15人から「飼料用米給与豚肉がおいしい」との回答がありました。

 以上から、飼料用米の給与によって、飼料自給率の向上だけでなく、おいしい豚肉生産ができる可能性が高まりました。今後は、農家での実証試験を行って、さらにデータを蓄積し、「食べて違いの分かる豚肉生産」のための飼料用米給与マニュアルの作成を目指します。

  • 官能試験に用いる豚肉を調理中の写真

    定められた方法で官能試験に用いる豚肉を調理

  • 官能試験に臨む畜産研究所職員の写真

    真剣に官能試験に臨む畜産研究所の職員

(畜産研究所家畜育種研究室 専門研究員 佐々木 康仁)

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