「リアル」な体験を今後に活かす ~ 農家体験研修を終えて
平成24年10月9日から一週間、奥州市の和牛肥育農家で農家体験研修を行いました。これは、採用間もない農林水産部職員を、県内の模範的な農林漁家に滞在させて、農林水産業への理解と視野の拡大を目的とする研修です。
私は、平成23年4月に採用後、直ちに畜産研究所種山畜産研究室に配属され、これまで1年8ヵ月の間黒毛和種の種雄牛造成に関わってきました。農業とは全く無縁の家庭に育ったため、泊まり込みでの研修に不安を感じていましたが、農家の皆さんは、私を暖かく迎えてくださいました。この農家は、和牛肥育を行いながら牛肉の販売や自営レストランで牛肉料理を提供するなど、早くから6次産業化を実践しています。
一日の仕事は朝7時から始まります。まず、飼槽・飲水器の清掃、飼料給与を1時間ほどで終えると、続いてワラの給与とボロ出し(除糞作業)を行います。午後は、稲作農家からのワラの回収、ワラ保管庫への投げ上げ、飼料の配合、敷料(おがくず)撒きなどを行い、午後7時頃に仕事が終わります。
日によっては、堆肥の撹拌、肉牛出荷、素牛導入、駆虫薬塗布などの作業も加わり、「肥育農家はこんなにも沢山の仕事があるんだ」と、作業の種類の多さを実感しました。また、夕食後にはレストランの仕事も経験させていただきました。
研修3日目には、筋肉痛になり手のひらにできた豆がつぶれるなど、慣れない仕事に悪戦苦闘しましたが、終わってみればあっという間の一週間でした。農家さんには足手まといだったかもしれませんが、私にとっては大変貴重な体験となりました。毎日休む間もなく、大切に牛を育てている肉牛農家のお役にたてるよう、優秀な種雄牛づくりに励みたいと改めて思いました。

(畜産研究所種山畜産研究室 技師 大崎 翔)
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