上昇のきざしは見えつつも ~ 日本短角種秋期子牛市場終わる

ページ番号2005926  更新日 令和4年11月15日

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 平成24年11月1日・2日の両日、全農岩手中央家畜市場において、日本短角種秋期子牛市場が開催されました。多数の生産者が見守る中、二日間で978頭(雌541頭、雄6頭、去勢431頭)がセリにかけられました。

 品種別には、純粋種が921頭、和牛間交雑種が51頭で、平均価格(税抜)はそれぞれ125,527円(前年比106.6%)、200,020円(前年比115.3%)で取引されました。

 当外山畜産研究室からは、初日に19頭を出荷上場し、平均価格(税抜)は119,158円(前年比125.2%)での販売となりました。全体的に取引価格は前年と比較してやや上向きましたが、まだまだ生産意欲を刺激するレベルには程遠い状況にあります。

 日本短角種純粋種子牛の取引価格は、牛肉輸入自由化(平成3年4月)の前年から下落し始めました。その後、国内でのBSE(牛海綿状脳症)の発生(平成13年9月)等で、“食の安全・安心”に対する消費者の関心の高まりとともに一時は上昇に転じたものの、長引く不況の影響などもあり、平成20年以降再び下落に転じ、現在も価格の低迷が続いています。

 日本短角種のこうした状況を打開するためには、生産・流通・消費の各段階における対策強化が必要です。当研究室では、現在、生産対策として、繁殖経営の収益向上を目的とした「黒毛和種受精卵追い移植注)」に、流通対策としては、子牛の生産時期を分散化するため舎飼期交配に取り組んでいます。

注)受精卵追い移植:受精卵移植による双子生産の一手法。発情時に予め人工授精を実施し、発情後7~8日目に受精卵を1卵、黄体と反対側の子宮角へ移植する方法。

日本短角種子牛価格の推移のグラフ
日本短角種子牛価格の推移
  • 上場前の繋ぎ場で会話する生産者の写真

    上場前の繋ぎ場で会話する生産者

  • セリ場の様子の写真

    セリ場の様子

(畜産研究所外山畜産研究室 専門研究員 佐々木 正俊)

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