猛暑を乗り越え、家路に向かう足取り力強く ~ 日本短角種の寄託放牧が無事終了

ページ番号2005929  更新日 令和4年11月15日

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 外山畜産研究室では、所管する放牧地において地元農家が飼養する日本短角種の寄託放牧を実施しています。平成24年度は、5月29日から150日間にわたり母牛54頭と子牛44頭の放牧管理を行い、事故等もなく無事に10月25日の閉牧を迎えることができました。

 しかし、子牛の発育を分析したところ、1日当たりの増体(体重の増加)が例年と比べて約1割少ないことが分かりました。放牧開始から9月上旬までは、1日に約1kgと順調に増えていましたが、10月上旬には通算で1日あたり約900グラムにまで減少していました(表1)。

表1 平成24年度の子牛の発育状況(1日当たり体重増加(通算)の推移)

区分

6月19日

7月10日

8月7日

9月4日

10月2日

雄(去勢)

1.14kg

1.16kg

1.07kg

1.03kg

0.91kg

1.01kg

1.06kg

1.00kg

0.99kg

0.87kg

雄雌平均

1.06kg

1.11kg

1.03kg

1.01kg

0.89kg

表2 平成24年の玉山区藪川の降水量(mm)

区分

4月

5月

6月

7月

8月

9月

玉山区薮川

117.5

78.0

56.0

223.5

73.5

129.0

過去10年平均

99.8

110.0

104.7

217.4

212.5

177.2

過去10年対比

117.7%

70.9%

53.5%

102.8%

34.6%

72.8%

 原因としては、特に8月以降の極端な少雨(表2)と、7~9月の猛暑によって牧草の生育が停滞したことが、母牛の泌乳量の減少または乳成分の低下につながったと考えられます。

 子牛の発育は猛暑の影響を受けながらも、まき牛繁殖による受胎率は92.6%でほぼ平年並みとなりました。翌春にはまた、農家が待望する出産が無事に行われることを願って、力強い足取りで放牧地から帰っていく牛たちを見送りました。

トラックに乗り込む日本短角種の写真
力強い足取りでトラックに乗り込む日本短角種

(畜産研究所外山畜産研究室 主査専門研究員 太田原 健二)

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