津波被災から2年目を迎えて ~ きゅうり・水稲除塩対策実証ほの経過について
平成23年に農業研究センターでは、津波被災地の一日も早い復旧を図るべく、陸前高田市竹駒町に除塩対策実証ほを設置しました。今回は、津波被災から2年目を迎えたきゅうり・水稲除塩対策実証ほの経過について紹介します。

【きゅうり除塩対策実証ほ】
平成23年は、津波により海から運ばれほ場に堆積したヘドロや土砂を、グレーダーで除去したものの土壌が固まってしまい、夏の高温期には通路にひびが入るような状態でした。これを受け、本年は、ほ場に良質な有機物を投入し深耕することで土壌も軟らかくなり、通路のひび割れはほとんど見られなくなりました。
また、夏に通路へのかん水を積極的に実施したこともあり、これまでのところ生育・収量・果実品質とも良好な経過をたどっています。「まだまだ収穫できるよ。前年以上の実績をあげないとね!」との嬉しい言葉を園主から聞くことができました。
【水稲除塩対策実証ほ】
前年に湛水除塩を行うことで被災した水田でも平年並みの収穫量が得られたことから、平成24年は思い切って、全ての水田に水稲を作付しました。初期生育も順調であり、心配された雑草の発生もほぼ問題なく出来秋を迎えることができました。
色づいて頭を垂れた稲穂を見るにつけ、「これくらい育つのであれば、全部に植えればよかったな!」という昨夏の生産者の言葉が思い出されました。
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きゅうりの生育状況
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水稲の生育状況
(技術部南部園芸研究室 南部園芸研究室長 佐々木 裕二)
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