“復興イチゴ”でXmasケーキを飾る ~ 閉鎖型高設栽培システムによる促成イチゴの栽培実証

ページ番号2006046  更新日 令和4年11月21日

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 岩手県農業研究センターでは、東日本大震災により被災した沿岸地域の農業の復旧と復興に向け、技術支援対策を実施しています。今回は、陸前高田市における促成イチゴの栽培実証について紹介します。
 
 有限会社アグリランド高田は、陸前高田市米崎町で夏秋トマトと促成イチゴの複合で雇用型大規模経営を行っていましたが、震災による津波ですべての栽培ハウス(1.5ヘクタール)を失いました。しかし、同法人の畠山社長の復興に向けた強い意志により、栽培規模は震災前の規模に及びませんが、本年度当初から横田地区等で農地を借地し、トマトの栽培を再開しました。

 当センターでは、アグリランド高田の復興が沿岸地域の農業復興モデルになり得ると考え、トマト栽培に加えその後作として、イチゴ促成栽培における高設栽培技術の実証を行っています。実証にあたっては、平成21年度に成果公表した「閉鎖型高設栽培システム」を導入しました。本システムは、培地保持槽と貯水槽による2層ハンモック構造で培地には杉樹皮を活用しており、盛岡市の企業(東日本機電開発株式会社)により商品化されています。

 アグリランド高田では、平成23年9月14日からイチゴ苗の定植を開始し、当センターから本システム活用上の技術指導を行いました。この実証試験から冬には高品質な「復興イチゴ」が収穫・出荷され、復興モデルとして成功できるよう引き続き支援して行きます。

  • 設置完了した高設ベンチの写真

    高設ベンチ設置完了
    撮影日:平成23年9月7日

  • 杉樹皮培地への定植方法の指導の様子の写真

    杉樹皮培地への定植方法の指導
    撮影日:平成23年9月14日

(技術部南部園芸研究室 主査専門研究員 山田 修)

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