リン酸ダイエットで露地ナスの低コスト化を! ~ 点滴かん水によるリン酸減肥試験を実施中

ページ番号2006049  更新日 令和4年11月21日

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 露地栽培の夏秋どりナスは、県南部から県央部まで広く産地化が期待されている、収益性の高い品目です。しかし、ナスは施肥量が多くなりがちで、露地でもハウス栽培のように余分な養分が蓄積し、土壌が肥沃化しやすい傾向があります。特にリン酸は、ナスの吸収量よりも多めに施用される傾向がありますので、適正量まで減肥する必要がある成分と考えられます。

 そこで野菜花き研究室では、平成23年度から県内で普及が進んでいる「日射拍動型点滴かん水装置(商品名:水やり当番)」を用い、露地栽培で点滴かん水技術を導入し肥料の吸収の効率化を図ることで、リン酸の減肥による低コスト生産安定技術の確立を目指しています。

 これまでのところ、点滴かん水を行うことでリン酸減肥した試験区でも良好な生育を示しており、今後も収量性や生育量について検討を続けていきます。なお、仕立て方法や省力性品種などについても検討を行っており、大規模経営や集落営農などで導入しやすいナスの省力化技術の確立に向けて取り組んでいます。

  • 日射拍動型点滴かん水装置の写真

    日射拍動型点滴かん水装置

  • 点滴かん水の有無の比較写真

    左:リン酸減肥-無かん水区
    右:リン酸減肥-点滴かん水区

(技術部野菜花き研究室 主任専門研究員 藤尾 拓也)

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