除草剤が効かない「難敵」発生? ~ 水田雑草オモダカの除草剤等に対する感受性検定
平成22年、岩手県内で、「きちんと除草剤を散布しているのに、雑草のオモダカが多発している水田がみられる」という情報がありました。また、他県では、SU(スルホニルウレア)系除草剤に抵抗性を持ったオモダカが発生し、問題になっている例もあります。
このことから、各地域の農業改良普及センターに依頼し、遠野市、岩手町、八幡平市、大船渡市のオモダカ多発ほ場から採取したサンプルについて、SU系除草剤(イマゾスルフロン、ピラゾスルフロンエチル、ベンスルフロンメチル)及びピリミスルファン(スルホンアニリド系除草剤)に対する感受性を地上部再生法注)により検定しました。その結果、本年度調査した範囲では、SU系除草剤に対する抵抗性は確認されませんでした。
【防除のポイント】
オモダカは、発生が長期間に渡るため、一度多発したほ場では、秋耕起を行い土壌をできるだけ乾かします。それに加え、翌年は中期剤を活用した体系処理などで防除することがポイントです。
注)地上部再生法(内野ら、2008):採取したオモダカを地上部及び地下部を3cm程度残して、切除し、5000分の1ワグネルポットに移植。その後、活着を確認後に各除草剤成分を処理し、再生してきた矢じり葉を調査して薬剤の効果を判定する方法。
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イマゾスルフロン処理
(遠野市産) -
ピラゾスルフロンエチル処理
(遠野市産) -
ピリミスルファン処理
(遠野市産)
県内のオモダカ多発ほ場から採取したサンプルの感受性検定結果
いずれの薬剤成分に対しても抵抗性はみられなかった

左:ベンスルフロンメチル処理(遠野市産)
中央:ベンスルフロンメチル処理(SU抵抗性)
右:無処理(遠野市産)
(技術部作物研究室 主査専門研究員 日影 勝幸)
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